第一ブロック


当番地区   新宿区更生保護女性会
 
            日時  平成18年11月11日(土曜日)
               会場  新宿区牛込箪笥区民ホール

第一部  講演会「少年法を斬る  −慈母と厳父ー
           白鳳大学法科大学院教授・法学博士 
                            土本武司先生

講師紹介

大学在学中に司法試験合格。60年に検事任官。
東京地方検察庁、東京高等検察庁、法務総合研究所、最高検察庁を経て、88年筑波大学教授に就任。
同社会学類長、オランダ・ライデン大学及びユトレヒト大学で客員教授を務める。早稲田大学、中央大学、帝京大学教授を経て、2005年から現職。法学博士。著書に少年法(法務総合研究所)「刑事訴訟法要義」(有斐閣)、「民事と交錯する刑事」(立花書房)、「過失犯の研究」(成文堂)、「航空事故と刑事責任」(判例時報社)、「刑事教室総論」、「現代刑事法の論点・刑法編/刑事訴訟法編」(以上、東京法令出版)など多数。
テレビや新聞で刑事法のコメンテーターとしても活躍。


   講演内容      1、少年法の法理
                2、少年非行の実態
                3、少年法の理念の変革

             保護一辺倒から「保護」と「責任」の両輪へ
                4、新理念から導かれる2つの要請
               (1)少年の主体性ー適正手続きの保障
               (2)被害者の救済、社会の秩序維持
                5、少年法の改正(2000年)
               (1)少年審判への検察官関与
               (2)年齢の引き下げ
                6、改正後の動向
               (1)家裁の取り扱い
               (2)触法少年犯罪の頻
                7、今後の課題



本講演についての感想です。

第一ブロック研修会」
千代田区更生保護女性会・会長   加藤多津代

今年度の第一ブロック研修会は35周年を迎え、東京更生保護女性会の50周年記念と併せ、節目の年ということで感慨深いものがありました。あいにくの空模様ではありましたが、当番区の新宿区更生保護女性会の皆様のお力で非常に中身の濃いものとなりました。第一部では土本武司先生から少年法についての講演を頂きました。昨今、少年犯罪の増加及び凶悪化が著しく、少年法に関する改正論議が活発になっています。更生保護女性会が活動する上で深く関わってくるこの問題について知ることが出来て、大変勉強になりました。加害少年に対し保護更生を旨とした保護主義を慈母、少年を自主性のある人間と扱い、相応の罰を与える責任主義を厳父とする例えが印象的でした。加害少年への措置とともに忘れられがちな被害者の人権について触れていただいたことは大変ありがたく、これを機に更に活発な議論がなされることを期待します。第二部の衣紋道研究会の方々による束帯や、五衣唐衣裳の着装披露は興味深く拝見いたしました。くしくも愛子様の着袴の儀と同日で、その可愛らしいお姿を拝見し不思議な縁を感じました。第一部、第二部ともに大変勉強になり、有意義な一日となりましたことを感謝申し上げます。


港区更生保護女性会   塩谷征子

平成18年11月11日(土)に新宿区牛込箪笥区民ホールで第一ブロックの研修会が開催され、会員122名の参加がありました。更生保護女性会の綱領唱和、開会の言葉、挨拶、来賓祝辞の後、第一部は白鳳大学法化大学院教授、法学博士の土本武司先生による「少年法を斬るー慈母と厳父ー」と題して講演がありました。土本先生は少年事件があるとテレビ出演され、コメンテーターとして意見を述べられている方として認識しておりましたので、お顔を拝見して皆さん納得と思われたことと思います。少年法は刑法の中の特別法であること、犯罪少年は14歳から20歳までの者で、触法少年0歳から13歳(刑法の対象にしていない)、虞犯少年14歳から20歳(将来事件を起こすかもしれない者)現在事件が起きるたびに世の中を震撼させている少年達に何故と思い、若者を理解するのは大変難しいと思います。
ゲーム上のバーチャル世界と現実の世界が区別できなくなっている事件などを聞くたびに胸が痛くなります。昔は親になり代わり、愛の手を指し伸ばす、との方向であったが現在は国家の刑法による方法で、事件を起こしたら処分する方向へ進んでいる。
低年齢化して犯罪が進行しているので保護主義から責任主義に移行している。14歳で刑事事件責任は問われる。16歳で逆送、18歳で死刑適用年齢、20歳で少年法適用年齢、死刑判決は現在制度であるが、土本先生は14歳で逆送、16歳で死刑適用、18歳で死刑判決でも良いと考えておられる。第二部、衣紋道着装も初めての経験でした。格式の高い皇室の方々の雅な世界に暫しうっとりしました。本研修は大変格調が高く、新宿の坂本会長、会員の皆様に素晴らしい研修が出来たことを心よりお礼申し上げます。


「第一ブロック研修会に参加して」
               中央区  松岡則子

    主催  新宿区更生保護女性会   牛込箪笥区民ホール
         第一部  講演会「少年法を斬るー慈母と厳父ー」  
         第二部  衣紋道着装披露

テレビで拝見する静かな口調の先生とは変わって熱の入った力強い話し方で講演が始まりました。少年とは0歳から20歳未満の者で、現在の少年法は昭和23年に制定されたもので、犯罪を行った少年には刑法でなく、保護を与えるべきという考え方から生まれた愛の少年法である。最近は少年非行も急激に凶悪化、低年齢化,否認化の傾向がある。「保護と責任」をも兼ね備えた少年法が整備されなければならない。
また、少年非行は犯罪ではないので逃げ道があり、被害者の救済、安全を軽視されていたように思われる。2000年には少年法が改正され、少年審判への検察官の関与や、逆送年齢の引き下げ(16歳から14歳)が行われた。少年にとって刑事処分であれ、保護処分であれ、適正手続きの保障の下で事実(行為)の厳格な認定が行われなければならない。慈母と厳父・保護と責任という言葉が心に残り、私たち大人は保護する立場で責任を持って非行や犯罪の無い町づくり、社会にしなければと強く感じた。第二部で最高に優美な装束、なかなか目にすることのできない着装と見事な技術を見せていただきました。ありがとうございました。



戸塚防犯女性部母の会会長・
新宿区更生保護女性会会員    山田純子 

東京連盟が50周年になる記念の講演会が11月11日、当番地区の新宿区内箪笥センターで開催された。4ブロックの(千代田、港、中央、新宿)の会員の方々が参加された.。講演は「少年法を斬る、土本武司先生である。
少年法に関わる逆送年齢が2000年に改正され、16歳から14歳になり、昨今少年非行の凶悪化が低年齢化している。犯罪、非行を犯す少年に対して法の上でだけ厳しくしてもいいのかという反面、被害にあった人からすれば罪は重いほうが良いと思う。罪を犯した少年に本人の主体性を認め保護と責任の両方で考え適切な処遇が必要とのお話でしたが、難しかった。
地域の関わりとは、犯罪から身を守るための家庭環境と地域社会の絆、思いやりの積み重ねと相手の気持ちを知る大切さを養う居場所と思いました。
重い話の後の華やかな宮中の衣装着付け(衣紋道)を見て心が和みました。
          
  第二部

衣紋道着装披露

   霞会館衣紋道研究会
 











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